ジャッジシステムとは?
RoboMasterでは、試合中の審判を独自の自動システムで行っており、このシステムや関連モジュールを総称して「ジャッジシステム」と呼びます。(英語では「REFEREE SYSTEM」)

試合に出場するロボットには、大会指定のジャッジシステムのモジュールがいくつも搭載され、そこからサーバーに転送されるデータによって、ステータスやダメージ、ペナルティの判定などが瞬時に行われます。
(※上の画像では見えない底面や内部にも搭載されています。)
ロボットが危険な状態になった時には、自動的に動作を停止する安全装置としての役割もあります。

試合中にオペレーターが見るPC画面の情報や、配信中の画面に表示される各ロボットのHPなどの情報も、全てリアルタイムでジャッジシステムから転送されているため、RoboMasterという大会には無くてはならない重要なシステムです。
ジャッジシステムは、競技中のロボットの主に以下の状態を計測します。
- ・HPの管理
- ・消費電流のリアルタイム計測
- ・被球当たり判定
- ・球射出速度計測
- ・ゾーン侵入判定
- ・ロボット視点映像伝送
- ・自己位置計測
- ・マイコンとの通信(上記情報の送信)
ジャッジシステム搭載規則
全てのロボットは、主催者から提供されるジャッジシステムを必ず規定通りに搭載する必要があります。搭載規定は「RoboMaster Referee System User Manual」というマニュアルに記載されています。
- RoboMaster公式Webサイト(英語)
- RoboMaster 2020 Referee System User Manual
ジャッジシステムのモジュール紹介
マスターモジュールジャッジシステムの本体。システム全体の動作を監視し、人間とコンピュータの相互作用、無線通信、およびステータス表示を統合します。
ライトモジュールHPを表示するLEDバー。
電源管理モジュール消費電力の監視を行います。
装甲モジュール被球を検出するセンサ。ひずみゲージによって衝撃を検知します。SmallとLargeの2種類があり、ロボットごとに大きさ、搭載数が変わります。
17mm球速度測定モジュール射出する球の速度と射出頻度を計測します。球を射出すると「熱量」が増加し、熱量が上限を超えるとペナルティとしてHPが奪われます。42mm用のモジュールもあります。
RFIDモジュールNFC(近距離無線通信)により、フィールドに埋め込まれているICカードを検知し、回復ゾーンなどの上にいることを認識します。ロボットのシャーシ底面に取り付けます。
UWBモジュールUWB測位システムにより、フィールド内でのロボットの自己位置を計測します。ビーコンはフィールド端に4?6個設置されます。
画像転送モジュール(左側: 発信機)ロボット視点のリアルタイムHD映像を受信機に無線で伝送します。
(右側: 受信機)発信機から受け取った映像をHDMIポートから出力します。操縦席のパソコンに取り付けます。
さいごに
大会に出場するための審査として、運営からは【ジャッジシステムの理解度テスト】が出題されます。
期間中は何度も受験することができますが、これに合格しなければ大会へ出場することはできません。
ジャッジシステムは、判定の公平性や競技の安全性を保ち、大会の根幹を支える大きな役割を果たす重要なシステムなのです。